久々に朝9時よりも早く目覚め、身支度を整え、家を出る。このままいけばいつもより10分程度早く会社にたどり着くので、ゆったりコーヒーでも飲んでやろうかなどといった妄想が膨らむ。早起きは三文の徳である。
チラと外に目をやる。雨でも降っているのだろうか、家の前の道は濡れて暗色を纏っている。一応、折り畳み傘をさしながら、道を駅に向かって歩き始めると、微かに、微妙に、降っているような降っていないような天気だと言うことがわかった。さらに、街を見渡せば傘を刺さずに自転車を飛ばす人の姿もあり、傘をさしている私はどちらかと言うと少数派だった。
このような少数派は慣れっこだ。
メガネをかけている方ならわかると思うが、メガネのレンズに水滴がつくととっても気になる(視界が遮られる)。だから、小雨だろうと霧雨だろうと、たった1滴の雨粒がメガネのレンズに付着しないように、私は傘をさすのである。
駅の入り口まで傘をさし続け、そして大して濡れていない傘をホームの端っこで折り畳み、鞄の中へしまう。電車の中は傘をささなかった多数はがほとんどだから、降りる時に傘を忘れないように注意しなければならない。そんな中、私が徹底しているのが、雨脚に関係なく折り畳み傘を使うということだ。おかげさまで、基本的にはカバンに常時傘があるため、傘を意識して生活することは皆無。かつ、傘忘れもない。実にスマートである。
電車に乗り、ドアが閉まった瞬間にあることに気がついた。私はなぜ、引き返せなくなるタイミングで思い出すのだろう。今日が燃えるゴミの日だったということを。